5G低遅延の仕組み

今回は5Gの特徴の一つである「低遅延」についてもう少し詳しくまとめてみたわ。

以前の記事をまだ読んでいないという方は、そっちの方が平たくざっくりと書いているので、そっちを読んでね。

 

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5G 低遅延の仕組み

 

前回の記事でも触れたけど、5Gは「1MS(ミリ秒)」(4Gの10分の1)の遅延と言われているわ。1000分の1秒ということだけど、正直あまりピンと来ないのよね。速度が速い、これはピンとくるけど。低遅延・・・?いまいちよね。

それで色々調べてみたけど、低遅延化はデータの伝送時間間隔(Transmission TimeInterval:TTI)を4Gの1/4に短縮しながらも、5Gでの高周波数を用いることで多くのデータを伝送できるようにしたのよ。この進化によって、これまで実現不可能とされてきた様々な分野において5Gのネットワーク技術が活用されることになるわ。

5G 低遅延の実現がもたらすもの

医療:5Gを活用すると、医師がその場にいなくても医療行為を行う(又は指示する)ことができるようになると言われているわ。その時、例えば遠隔手術を行う際、医師は手術中の映像を確認しながら手術ロボットを遠隔で操作する必要があるのだけれど、通信に遅延が生じてしまったら・・・?一瞬のタイムラグで患者さんの命に関わる問題になるわ。リアルタイムで映す画像も高画質で超高精細な画像も求められる。これを5Gはクリアできる、ということ。

自動運転:自動運転の仕組みは走行中の映像を管理センターに送って、コンピュータの遠隔操作によって自動車を運転操作するというものなの。映像や制御データを送受信するときにタイムラグがあったら・・・交通事故を引き起こす可能性があるわね。たとえば時速60kmで走行している自動車で考えてみましょう。4Gのネットワークでは通信遅延は10MSなので、その間に最大で約0.15m以上の誤差が生じることになるの。一方5Gでは通信遅延は1MSなので、最大で数cm程度の誤差で済むのよ。もちろん、1MSというのは理論値だから、実際の通信状況によって変動するけどね。

 

マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)とは

また、5Gの他に低遅延通信を実現するための技術として「マルチアクセスエッジコンピューティング」(MEC)が注目されているわ。ネーミングだけですでに心が折れそうだけど、ざっくりまとめることにするわ。

これはユーザーの端末に近い場所(通信キャリアが展開する基地局近くなど)にエッジサーバを配置して通信時間を短縮するための技術なの。

スマホに映像をストリーミングする時を例に説明するわね。4Gではクラウド上にデータが置かれていて、サーバーからユーザーのスマホにデータ転送を行なっているの。インターネット回線が高品質であれば高画質の配信が可能だけど、低品質であれば配信も低画質になってしまうわ。

一方、通信キャリアの基地局の近くに独自のエッジサーバーを配置した場合ね。あらかじめエッジサーバー上にアクセス頻度の多い動画を保存しておくのよ。ユーザーは従来のようにサーバーを経由せずに、よりユーザーの近くにあるエッジサーバーから配信を受けるので、インターネットの速度に左右されずに、いつでも高品質な動画配信が実現できるの。この技術は通信キャリアだけにとどまらず、IoTを効率化する上でも活用される技術よ。 

5Gは確かに低遅延の情報システムだけど、ネットワーク全体の情報量が 増加して混雑するとサーバーに負担がかかってデータ通信速度の低下や遅延を招くことになるの。MECを活用することでネットワーク全体の情報量を効率化して、5Gの本来の力を発揮することができるわ。

5G 低遅延の課題

5Gが始まっても「低遅延」にならない?! 

5Gになったらすぐに低遅延になる、実はこれには少し語弊があるわ。遅延が1MSに短くなるのはワイヤレス部分であってインターネットサービス全体の話とはまた別なの。5Gのスマホを使ってアメリカにあるサービスを使ったりする場合には当然相応の遅延が発生するわ。インターネット側の遅延は別という風に考えないといけないわね。

あとは、5Gが本当の意味で全ての公衆網で実用化されるのは相当先の話になるかもしれないの。ノン・スタンドアローン方式、と言います。またカタカナできたわね。5Gはカタカナばっかりで調べる私も大変よ 笑。

ノン・スタンドアローン 、ざっくりまとめると、今ある4G LTEのネットワークを活かしながら5Gの基地局の展開していって最終的には5Gに移行していく方式。既存のLETネットワークの上に、アドオン的に5Gを構築して、コアネットワークはLTEを利用する。最終的に移行するまでの間は特定の場所に限って「ローカル5G」として機能するわ。初期投資が抑えられて不安定なミリ波でも安定した通信が期待できるわ。

KDDIはこの件については2021年中頃に5G単独でのエリア構築を目指しているわ。それも一部地域エリアでの展開になるようだから、日本の概ね全てのエリアが5G単独で構築できるのはかなり先の話になりそうよ。

ちなみに、現在の基地局展開計画(5年間)は以下のようになっているわ。

基地局展開計画(5年間)

           5G             LTE(既存)

 NTTドコモ               約1.3万             約20万

 KDDI                        約4.3万             約10万

 ソフトバンク             約1.1万             約10万

楽天モバイル              約2.4万                 ー

これで見ると、5年後にはまだ、従来のLTE基地局の1/10程度しか展開されていないの。下手をすると都心でもエリア整備が十分に行かないことも予想されるわ。

 

まとめ

5G 低遅延の仕組み 

低遅延化はデータの伝送時間間隔を短縮しつつ、高周波数を用い多くのデータを伝送できるようにしている

5G 低遅延の実現がもたらすもの 

医療:手術ロボットを使ったリアルタイム遠隔手術 自動運転:時速60kmでも最大数cmでの制御

マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)とは 

ユーザー端末の側にエッジサーバを配置し通信時間を短縮するための技術。ユーザーはサーバーを経由せず、エッジサーバーから配信を受けるため、インターネットの速度に左右されずに、いつでも高品質な動画配信が実現できる。

5G 低遅延の課題 

 5Gが開始してもしばらくは「ノン・スタンドアローン方式」が採用される。今ある4G LTEのネットワークを活かしながら最終的に5Gに移行していく方式。すぐに低遅延になる訳ではない。